「この前、岩戸公園へ親子3人で出掛け、どんぐりの実を170個も拾ったんですよ!」 それがインスピレーションとなった作品が「想う秋」。本人のお気に入りの1枚でもあるそうです。 絵の中に登場する小さな子供?妖精?は朋子さんの分身なのでしょうか? 作品制作の源となるのは日常生活の中で感じるささいな出来事。夜寝る前やお風呂に入っている時、ぱっと映像が頭に浮かぶので、急いで鉛筆でデッサンするそうです。 「朝、昼、夜に吹く風、それぞれに表情を持つ季節の風に心が動きます。忙しい日々を送っていると忘れがちだけど、自然のサインを、いつも感じられることは大事なことだなあと思っています。」 夜の香りと月が大好きと言う朋子さん。 寒くなり始める頃、夕方が過ぎ、あたりがシーンとして冷気をおびてくる夜の時間帯。フッと香る夜の香がたまらなく好きだと言います。「なかなか解ってくれる人が少ないんですよ」と残念そうに微笑みます。 また、ある時の体験。夜中まで仕事をしている時、休憩にと外の風景を見たときのこと。 「暗闇の中、ほのかな月明かりに照らされて植物が浮かび上がる様子に感動しました」 日常生活の中で、自然と対話する一人だけの特別な時間をたくさん持っている人のようです。 「"絵を見ているうちに、涙がでてきました"と、作家冥利に尽きるような言葉をお客様から言われたとき、"ああ、迷う事が沢山あっても絵を続けていこう"と決心しました。」 年頃の娘である朋子さんに「結婚をしなさい」「一般の企業に就職しなさい」などと言わず、ただ、実家での作家活動を応援していてくれる両親にも心から感謝しているといいます。 親孝行で自分の夢をひたすら追い続ける姿が素敵な朋子さん。これからどんな絵本が出来上がるのかとても楽しみです。
2002.11.20
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