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▲ 語り舞ライブ 5.2回より・・・ 美しく、妖艶な世界
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最初は自主公演からスタートした。始めて7年になる。毎年新しい作品を発表しているため、毎日がプレッシャーとの戦いだという。ハードなスケジュールであることは碓かだが、生みの苦しみと喜びが最高に心地いいという。「オリジナルの舞台なので1回1回が真剣勝負。舞台を見て良かったという人の御縁で次に繋がり、今まで続けてくることができた。本当に皆様のおかげです」 毎日が舞台にむけてのセリフの稽古だという。現在は夕方にラジオ番組の仕事があるので昼前稽古することになる。舞のほうは月に2,3回、東京にいる師匠のもとに通って稽古をしている。 次の公演、5月24日に開催される5.4回ライブについては、「本当は9回目なんですけど、10回目というと10回記念をやらなくちゃいけないでしょ。けれど、そこまでするには自分でまだまだと思った。だから5回目以降は、お座敷の小さいところでやっているので0,1回と数えて、今回を5.4回目ということにしたんですよ(笑)」 語り舞は「雅びな宮中の生活や光源氏に愛された姫君の 世界、光源氏の思い等」を和歌を通して現代語で語るのですが、普段使わなくなった日本語の美しい響き、日本人ならではの表現をぜひとも堪能して欲しい。若 い人に特に。出来れば、高校や大学の授業で取り上げて欲しいと思っています。」 「語り舞は一人舞台のようなものなのですが、衣装も別に十二単衣を着るわけでは無く、メイクも奇抜なものをするわけではない。声色もできるだけ変えず、舞の表現と語りのみで、見ている人が登場人物の情景がありありと浮かぶよう構成しています。」 以前舞台を見て下さったお客さんに"まるで源氏物語の絵巻物をみているようだった"といわれたこともある。 「古典の世界は分からない、という人もいると思いますが、日本人のわび、さびの世界、鄙びた風情やおおらかさの表現、言葉の美しさを聞いて感じて欲しい。舞台の語りは現代語ですが、普段使わなくなった言葉もあるんです。」「日本の言葉を大事にしていきたいです。」と付け加える。 「実は声にコンプレックスがあったんですよ」という亜梨さん。同僚のアナウンサー達はもっと高くて可愛らしい声をしていたからなのだそう。「でも舞台を始めて声が変わってきたのがわかります。最初の舞台と今の舞台では声がまったく違っています」と自分の変化に驚いている。 「"あなたには才能が無いんだからやめてしまいなさい!"と師匠には何回も言われました。"才能が無いんだから人の3倍練習しなきゃ"といわれるんです。」 普通だったら尊敬している師匠に「才能が無い」なんて何回も言われたら自信を無くしたり、やめてしまう人も多いのではないか。でも亜梨さんは違った。 「どんなにつらかろうと苦しかろうと、"やめる"という文字が私の中には無いんですよ。不思議ですね。本当に好きなんです。 泣いたり落ち込んだりすることもありますが、師匠に叱られなくなったら最後。叱ることは凄くエネルギーがいりますよね。私は叱られる分、師匠からエネルギーを頂いているんだなあと思っています。」人生でそこまでいえる人に巡り会えるというのもすごいことである。
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